何とか風2007年12月03日

 ファッションに何とか風とか何とかルックいうのがある。例えばミリタリールックとか、バイカーズ風とか。その手の物はその趣味の者以外には物珍しさで受け入れられたりするが、趣味者からすれば蔑視されるのがほとんどだろう。

 ある時駅の階段を上っていると、目の前の若者が肩から下げているメッセンジャーバッグが目に入った。ノンブランドの、シンプルな、悪くない色のバッグだ。しかし同時に違和感を覚えた。なにがどうというのではないが、何かおかしいのだ。直感で、これは紛い物なのだろうと思った。残念ながらその確証を得る前に階段は終わり若者はどこかへ行ってしまった。そもそも私はそれを即断できるほどには自転車ファッションに詳しくはない。

 ミリタリーの場合それよりは確証を得やすい。例えば迷彩服というのは柄が国や年代で決まっており、地域警察のSWATが採用しているだとかは別として、一国の軍隊の物かどうかはまず分からないことはない。妙な柄だったり、柄と形が合っていないのは紛い物だ。

 勿論自分の知らない物というのは多数ある。それぞれを専門にするマニアが存在する位だから当然だが。現用でフランスの車両整備兵が着用するつなぎだとか、冷戦時代にソ連がアフリカで使っていた狙撃兵用の迷彩服だとか、そういうのをいちいち知っているわけはないが、そもそもそんな物を着て街を歩いている人はいない。

 ただし、軍用品には安いサープラス物なんかがあって、ストリートファッションに流用されることはある。米軍物は分かりやすいが、たまに妙な物を見掛けることもある。そういえば旧東独軍の装備が大量に出回った時期があったが、あれはもう10年ほど前だろうか。自分も何着か買ったが。大戦独軍の物に転用・改造するためである。つい先日、どう見てもマニアとは違う若者が、東独軍国境警備隊制服の上着を着ていた。物持ちが良いのか、まさかまた出回っているのではないだろうな。


小隊司令部発

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