妹が自転車で杭にぶつかった。
買い物で荷物が多いためモモチャリで出掛けていた。有り物の短いバーハンドルに替えているためフロントのバランスが悪い。そのために杭を避けられなかったのか。
「後ろのブレーキを掛けたら戻らなくなるんだよ」。…杭にぶつかるのと関係ないじゃん。「ああ、あの自転車、後のブレーキ変だよね」と妻も言い出す。何だ、私が悪いのか?
よし、整備してやろうじゃないか。三多摩一のママチャリブレーキ整備を見せてやる!
いや、別に、自転車も乗れず酒も呑めなくて暇を持て余しているとかではなくて。
スポーツ自転車に乗っている人にはママチャリの整備性の悪さを殊更に論(あげつら)う人が多いし、同意である。とは言えママチャリはあるべくしてあるのだ。仕方あるまい。
専用のダボをいちいち設けず全部ハブ軸で止めている。だから後輪を外すと、スタンドもキャリアもドロヨケも内装変速機も半分バラけてしまう。填める時は順番通りに挟み込まねばならない。順番や位置関係をデジカメで記録しながらバラした方が良い。
ママチャリのドラム型リアブレーキには主に3種ある。ホイール側のドラムを外側からバンドを巻き付けて止める「バンドブレーキ」と、内側から押し広げるように2つのシューを当てる「サーボブレーキ」、そして独自構造で複数のシューを当てる「ローラーブレーキ」。前者2つには互換性がある。モモチャリはサーボブレーキだった。
戻りの悪さ解消のため、シューに掛かる巻きバネの錆を取り(交換が望ましい)、カムの当たり面を研磨して薄くグリスを塗った。ワイヤキャップを外したついでなのでインナーワイヤーを引き抜いて注油。途中錆があったので取り除く。そして効き向上のためにドラム内側とシュー表面をヤスる。
どうだ、これで驚異の制動力が発揮されるぞ!
…な訳はなく、まあ、レバーも問題なく戻り、普通に止まる様にはなったが。これで良いだろ。
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