掌編「ほうれん草のおひたし」2010年10月14日

 バカーン!

 誰だよ人ん家のドアを蹴破るバカは。ボロアパートの木製ドアは、ノブの周りが四角く曲がってあっさり開いてしまった。地味なロゴの入ったアウトドアウェアを着た白人の男が、勢い余って上がりかまちの上に乗っている。

「“食の番犬協会”ですッ。生ほうれん草を食べるのは止めてください! 野蛮です!」

 思い出した。八百正の前で水を巻かれていた奴だ。オヤジの話だと駅前のホクサンマートでも警備員に摘み出されたという話だ。八百正から俺を付けて来たらしい。ドアを叩かれても無視したんだが、蹴破りまでするとは思わなかった。頭が弱いのか?

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出口、らしきものこの作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「いいがかり」に参加。字数制限はコミュの仮規定2000字に準拠。隔週提出の課題に12連投目。学生時代にもなかったな(笑)。

 


小隊司令部発

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