BAR BLACK LUNG、2012年07月22日

 生意気盛りの頃の私は、初めて行く酒場へは挑む様な気持ちで入ったものだった。そもそも若かったのだし。当時ハードリカーはウオツカしか呑まなかったから、銘柄は何を置いているか、ショット向けはちゃんとフリーザーに入れているかというところから始まって、バラライカを振るのにシェイカーを何回振るかなんて辺りを見てからさて呑み始めるかというところがあった。

 さてそして、そういう拘りが生き様だと言う程に“洗練”されてもいないし、そして周りを見ない訳でもないのが、今の45歳の自分である。

 酒場同様にネットの軸足もあちこち移動するのだが、頻度は高いTwitterでは、プロフィールに「酒場の話から、趣味の自転車やら玩具やら、庭弄りやらについて書いています。(以下略)」と書いている。だがさてTwitter同様に本欄でもそんなに酒場の話を書いていただろうか。酒場の話というより酒場で思い付いた話か。看板に偽りありかといえば読み返すとそれなりに酒場の話を書いていた。

 本欄で初めてBAR BLACK LUNG(BBL)の事を書いたのは'06.7.2「歌舞伎町バー情報(但しかなりナロー)」だった。以来、この店の事やこの店で出会った人の事を、私は本当に頻繁に書いている。歌舞伎町の裏手の路地のかなり怪しい建て構えの古い雑居ビルで6年やっている。

 しかしこの7月で句点が付く。読点かどうかは分からない。店でなく器の方の事情である。他のフロアが軒並み区から[告]を貼られているという事はともかく、耐震検査もパスしないからということもあるんではなかろうか。オーナーのふる君が次の器を探すために、8月からは後輩格のヒナ君が受け継ぐ。本欄では肉汁うどん「かめ福」のH君で既出である。

 数年後「新宿で呑むなら締めは友達連れてここに行きなさい」と娘に言える店になって欲しいが、小娘にはハイブロー過ぎか…。


こんな場所と言っても説明にならない。

JEDIで寄ったことも。

ウイスキーを呑む様になる前はよくこんなのを呑んでいた。オリジナルカクテル「スコルツェニー」。


読書 井上荒野「静子の日常」中公文庫

何となく主人公の年齢が高くなっていくなと思っていたが、今回は老人であるとまで書くのは勿論こちらの勝手な思い込みである。


小隊司令部発

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