BBL閉店雑感2012年08月05日

 お気に入りの楽しい遊び場でも、いつまでも遊び続けることは出来ない。何に付け、全てがいつまでもそのままということはないのだし。

 浮気性のくせに、通い始めるとついとことん通い詰めてしまうという傾向が私にはある。そんな風に通った酒場は、しかしそう多くはないが、最も通ったのは間違いなく歌舞伎町BAR BLACK LUNG(BBL)だろう。通い過ぎて「筆頭株主」の称号まで頂いた。

 だが、前々回の本欄で書いた通り、BBLは7月30日をもって閉店した。その前週末に行って最後としたつもりだったが、結局最終日にも立ち寄って定位置のカウンター奥の席に座り、馴染みの面々と共に呑んだ。更には寝転けて朝を迎えるという何とも締まりのない、だがしかしいつも通りの呑み方だった。格好良く最後を迎えることが出来ないのは恋愛事と同じだという気がする。けれん味たっぷりであるし、気障なくせに決め台詞がてんで決まらない。しかし、そんな私であっても快適に過ごせた酒場だという言い方も出来る。

 BBLはいずれどこか、多分そう遠くない場所で再開してくれるだろう。それが約束の地だ。それまでは跡地で開かれるヒナ君の店に寄っても良いし、何なら暫く歌舞伎町通いは止めても良い。いずれにしても別の店を躍起になって探すことはないだろう。どう考えても、BBL以上に快適で便利な店は見つからないだろうと思うし、これも転機かと思うのだ。まあ失恋直後に「もう恋人なんか要らない」と言っている様なものかも知れないが。

 「一人もお客が入らない日が1日でもあったら閉める」と決めていて、その日は結局6年間訪れなかったのだとつい先日聞いた。ということは、毎日待っている客がどこかしらにいるということである。

 そうは言っても今度出す店は、館の事情ですぐ閉めなくてはならなくなる場所ではない所にしたいということだ。慎重に探して、ついでだから少し休めば良いと思う。ついでにね。


小隊司令部発

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