ゲイとルパンと航海士2013年04月20日

 少し言葉というものに過敏になっているなと思う事はある。普通の流行言葉に「そんなのおかしいだろ」と思ってしまうが、口にしたら「考え過ぎだよ」と言われそうで口に出来ない。だから若い子が「ファーストキッチン」を「ファッキン」と略すのを、「アホかお前ら」と思っても言えなかった(いや、言った言った)。

 その類でこれはどうもなと最近思ったのが、西日暮里の大衆食堂「はってん食堂」だ(ナローだな)。その名前を聞いたら“有識者”諸氏なら吹くだろう。あるいは上野の公園裏や新宿二丁目にでもあるのかと思うだろう。さぞガチムチ兄貴や自称男の娘で溢れた店であろうと想像する事だろう。しかし実のところ単なる安食堂である。ちなみにハッテン場というスラングがあり、ゲイ諸兄の良く言えば出会いの場、有り体にはヤリ場を指す。

 では関係ないのになぜわざわざそんな名前にしているのかと言うと、近隣に展開している居酒屋「八天将」の系列だからと思われる。尤も、その「八天将」からしてよく意味が分からない。
 その音から思い浮かぶのは「八点鐘」というW.ホーマーの絵だ。海上の暗雲の向こうには明るい空、甲板には二人の航海士。あれ? でもなぜあの絵が「八点鐘」なのだっけ。調べると、八点鐘とは航海中の船で当直の終わりを知らせる鐘の事で、絵はその解放感を表しているとも言われるそうだ。

 更に調べると他にM.ルブランのアルセーヌ・ルパンシリーズの中に同名の短編集があった。8回の鐘を契機にした8つの物語であるが、これは意味が違うな。

 八天将ではなく十二天将であれば、それは陰陽師の占術に使用する象徴体系の一つだそうだが、これは益々違うだろう。数を取って天将ならば、清朝時代の中国の位の一つ。店の雰囲気からはこちら系統の気がするが確証はない。

 そんなの店で訊けって? そのためだけにまた行くのはあまりに馬鹿馬鹿しいし、そして他に行く理由がある店じゃないのだ。

そもそも初めに「八天将」に行ったのは、かの「ナポリタン×ナポリタン」でeatnapoさんが紹介していたコレ(399円)が目当てだったのだ。だがしかし、コレだけのために行く程の何かがある物でもないと実感したのだった。

小隊司令部発

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コメント

_ 小隊長 ― 2013年04月26日 08時49分08秒

公開時「自称男の娘」を「自称女の娘」と表記。それは全く普通だろ。

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