「開いてない店には通えないからね」2018年02月15日

 私がよくその様に言うのは、少し若い店主の酒場に通い始める時のこと。別段、上から目線で言うつもりはないし、そういう言葉を掛ける様な店には、実際によく顔を出している。大概一人だし人を紹介することも希だが、ウェブやら何やらで書く。通う時には週2週3は顔を出すし、大して高い酒を頼む訳ではないが居る限りは呑む。酔って店や他の客に迷惑を掛けることはないし(呑み過ぎて少し寝こける程の時はたまにはあるが)、店に対して奢った気持ちもない。

 要するに、居心地良くあり続けて欲しい店には、そうあって欲しい意思表示位はするという事。つまりそういう気持ちで言っている。でもやはり、この人ちょっと駄目かなと思っていると案の定駄目なことはある。中野に昔あったトイガンバーとか。

 悔しいのは、店主がちゃんとしているのに家主の事情で店が畳まれてしまう場合。神田の「Bar Alley」とか。でも一番大きかったのは、歌舞伎町にあった「BLACK LUNG/BAD CAT」か。建物側の事情では仕方が無いが、そもそも絵面的に“ザ・犯罪の温床”みたいな雑居ビルだったし(苦笑)、実際下の階の怪しい事務所はドアに銃弾が撃ち込まれたりもしたし、まともなテナントが普通に借りる場所ではなかったのかも。でも楽しかった。

 あと虚しいのは、経営母体の運営が残念な場合。よく通った神田高架下の某店。店長が変わり、システムがなし崩し的に変わると、あれよあれよと付き合いづらいしょうもない店になってしまった。聞けば途中から運営も変わっていたそうな。

 そして、今の場所に事務所を移してから社員皆で通っている近所のアイリッシュパブも、最近雲行きが怪しい。店長と料理長がこのふた月の間に辞める。そして今日、予告なしに休業していた。

 「開いてない店には通えないからね」は、好きな店にしか言わない。私はしょうもない酒呑みだから、一緒にいる時間は注いで貰い、注ぎ返す。

読書 三浦しをん「光」集英社文庫

読み始めではまさかこんな構成とは思っていなかった。愛憎とは同時存在だという事なんだなと思った。残念なのは「光」が何であるかを分かっていたはずなのに、うっかり解説を読んでしまいわからなくなってしまった。数ヶ月後にまた読もう。(昨年11月に映画化されていて、そのカバーが掛かっていた。これはこれで観てみたい気も)


小隊司令部発

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