3番目の男2012年05月31日

 人が酒に求める要素は主に3つあるという。風味、雰囲気、そして薬理効果。それぞれの優先順位は人により違うものだし、上下もない。等しく下らない税金を支払っている。

 同じ酒呑みでも、一般に、外で呑む人は家では呑まず、家で呑む人というのはあまり酒場には行かないというケースが多いらしい。と言ってもそういう話は酒場でする訳だから、後者の方と話す訳ではない。言うまでもなく私は酒場に行くし家でも呑む。いや、ほんとに今更言うまでもないな。家でも沢山呑む私の様なタイプは冒頭の3番目がプライオリティな気もする。

 家と外で明らかに違うのは、呑むのがビールではなく発泡酒だということか。そもそもまともな酒場に発泡酒はないから呑めないのだが。若い頃に、テラスに小型の冷蔵庫を置いてハートランドの瓶を並べるなどという気障をしていた事を思い出すと隔世の感がある(言葉の使い方を間違えているか?)。

 ハードリカーはスコッチかウオツカ。但しこれも家と外では銘柄が違う。同じだったら、妻と似た女性とわざわざ浮気をしている様で妙だ(この例えもおかしいか)。家での普段呑みのスコッチは本欄でいつも書いている「消防熊」ことハディントンハウス(40°700ml)である。うちの近所では900円以下だが、実のところ黒だのトリスよりはマシ。ウイスキーは基本ストレートでしか呑まないが、まあ呑める。「スペイサイド+ハイランドのモルトにローランドのグレーンをブレンドした、ほのかに甘いリッチな味わいと深みのあるフレーバーを持つまろやかな味わい」なのだそうな。

 外でも呑む高めのモルトも一応家に置いているが、こちらは一口目とか、気分の良い時に呑む。グレンフィディックは並行輸入物の方が度数が高く、容量も大きい。正規が41°700mlで並行が43°750/1000mlである。旨くて上品な酒なのに、選ぶに当たっての心持ちが意地汚い。やはり私は3番目なのだ。

信濃屋の12年並行リッターボトル(2,980円)が品切れとなり、代わりに15年ソレラリザーブの並行リッターボトル(3,480円)が出ていたので購入。

夏にはつい買っちゃうんだよね。出来合いピニャコラーダ。グラス一杯のクラッシュアイスの上から注いで1杯。

読書 角田光代「それもまたちいさな光」文春文庫

構成に何かクセがあるなと思ったら、ラジオドラマにする前提で書かれた小説だった。「どうでも良いようなことで人生成り立ってるよなっていうか。いや、そういうことがあるから人生っておもしろいんだよな」(P.153)という雄大の台詞に集約されるようなされないような、そうドラマもないが色々なことがあって成り立っている身近な人生という感じだったかな。


小隊司令部発

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