つい、声を掛けて2009年10月15日

 珍しく仕事仲間と、得意先近くでの打ち合わせの後にカウンターバーで軽く呑んだ時のこと。

 店を出ると、いきなり前の会社の人間に出会した。もう5年以上前に勤めていた会社であるが、後ろ足で砂掛けて辞めたという経緯もあり、あまり良い感じはせず。いやそれは相手が、か。まあ大きい会社なので皆にそう捉えられているかどうかもわからない。後ろ足でだなんて思っているのは実は私の方だけで、後で向こうからの妨害や反撃がなかったところからしてどうでも良かったのかも知れない。しかしその時持ってきた得意先には今の会社では今もそれなり食わせて貰っているのだからわからないものだ。

 気にしている様に書いているがどうでも良いんだけどね、本当は。広告屋というのは、人に心底憎まれたり恨まれたりする類の商売ではないから、多少のことはどうでも良い。ましてや人様の命を預かるわけでなし、そういう意味では気楽な商売だ。それでいてこれ以外あり得ないから私はこの仕事をやっているのだけれど。

 それにしてもあれだな、私の記憶はちょっと問題ありかもしれない。向うは開口一番「あっ、Sさん!」と言っていたのに(さん付けとは人格者だなお前ら)、私はこれを書き始めた今に至っても2人の名前を思い出せない。いや、自分との関係と顔は覚えていたのだが、名前がな。やっぱりどうでも良いらしい。

 過日に読んでいた本で、作中昔付き合っていた相手のことを思い出せないという男が出てきたが、小説などでは良くある話だがそんなものだろうか。しかしよくよく考えると…いや、詳細は省きます。すみません。

 街中で顔見知りを見掛けると、私はうっかり声を掛けてしまうことが多い。人懐っこい性格ではないんだが(誰も思ってないか)。声を掛けてから「あッ、全然親しくない人だった」なんて思い出したりすることもある。

 いずれにしても大概、名前は思い出さないんだが。やれやれ。


小隊司令部発

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