先日、柏のおじさんが亡くなった。
慣例で「おじさん」と言ってはいるが、おじ(伯父/叔父)に当たる人は私にはいない。母は「お兄さん」と称しているが同様である。正確には父方の祖母の甥であるから、何と呼べば良いのか。
祖父は9人兄弟なのに全ての親族が死に絶えており、そして父は一人っ子である。祖母の兄の子がそのおじさんだが、いまだ付き合いのある(というか生存している)父方の親族はその兄弟だけなのである。
斎場はおじさんの自宅近くだったが、柏は意外に近かった。物心付いてから訪れた記憶はない。通夜から泊まりで手伝いに入っていた母が帰路疲れているだろうとクルマを出したが、1時間少々で着いた。
とにかく参列者の年齢が高い葬儀だった。私より下なのはおじさんの孫である2人の大学生だけで、私がかつて姉の様に接していた祖母の姪の長女(多分10歳程上)以外はおしなべて60代以上である。おばさん達には「仕事もあるのにお疲れ様」と言われたが、私はこんな機会でしか顔を出せないことを詫びた。
柏のおじさんと言うと、よく覚えているのは祖父母の馴れ初めの話だ。祖父の葬儀の時にその話を聞いた。おじさんの父(祖母の兄)は祖父の上司で、上司から持ちかけられた縁談だったそうだ。
その事を話そうかと思っていたが、遠い焼き場には同行しないため私にゆっくり話す時間はなく、結局帰路の車中で母に話した。母は、お兄さんはその話をお父さん(私の父)にしたかったんじゃないかしらねと言う。祖父の亡くなる2年前に父は亡くなっていた。おじさんは父と歳も近く、一人っ子の父にとっては兄の様な存在だったらしい。
そうだな。私が聞くより父が聞くべき話だったろう、とハンドルを握りながら思った。
馴れ初め話は少し面白い話なのだが、ここに書くのが適当か迷い、紙面も足りないのでまたの機会でもあれば。
調べたところ、柏のおじさんは「従伯父(じゅうはくふ)」となるそうだ。何だかわからんな。 |
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