前回の自転車ネタではJEDIの前輪のシミー(ブレ)について書いたが、それとは別の原因で、急ブレーキで転ける危険性が高いと訴える情報があった。前回同様JEDIではなく、同じ独特の形状をしたFフォークを持つBD-1に関しての情報だが。
そこには「キャスターオフセットが足りないために安定性に欠ける」と書かれていた。小径タイヤと特殊なサスのためにジャックナイフになり易いというのはわからないでもない。私はそうまで激しい急制動をしたことがないので体験はしていないが。自転車の急制動時には体重移動で重心を後ろに持って行くのが基本の運転法であり、ものの本ではサドルの後ろに腰を落とせとまで書かれており、それである程度はカバーできるだろう。
余談だが、余所にはそこから転じて「キャスターオフセットが足りないから直進安定性に欠ける」という記述がいくつかあった。これは逆ではないか。詳しくはイラストを参照していただければと思う。このフォークのオフセットは少なめだが、直進安定性は、キャスターオフセットが少ない方が増す理屈ではないか。
ちなみにBD-1もJEDIも製造は同じパシフィック社だが、車輪径が異なりブレーキダボの位置は異なるが寸法は同じだそうである。ステムも共用なのでJEDIのハンドルが高過ぎるというのはそのため。車輪径が大きいとトレイルは増えるので、18"のBD-1よりは20"のJEDIの方が直進安定性はあることになる。
ところで、そのパシフィックのOEMについての疑問。タルタルーガType-Sは明らかに日本人吉松氏の設計だが、全く同じ筐体がルイガノにもパシフィックにもあった(今は異なる)。専門誌のインタビュー記事でグリーングループ鈴木氏にその点を突っ込まれてお茶を濁すようなシーンがあった。更に多くのブランドで出ているBD-1系も設計はR&M社だと思うが、改良などは誰がどう行っているのだろうか。 |

1)キャスター角によってトレイルが生じる。
2)トレイルによって、進行する力で前輪が引っ張られて、直進性が増す。
3)トレイルがあり過ぎるとハンドルが切れにくくなる。
4)キャスターオフセットを設ける事によってトレイルを調整する。 |
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