
第3話 発見
仕事好きのわたしは、1日の大半をビジネスパートナー達と過ごす。自分の仕事仲間をへらへらと口説く奴は仲間にはいない。そしてそれ以外で周りにいる男の大半は、わたしの会社の社員か、バイトか、協力会社の人間か。要するに迂闊にわたしを口説いたりはできない立場の男達ばかりだ。
芝崎さんはそういう立場にはない。馴染みのバーの常連だ。ちょっと良いな位思っていたら、いつの間にか話をするようになっていた。どっちがどう声を掛けたとかではなくて、他の常連と一緒に話しているうちに、なんとなく2人きりでも話すようになった。そう記憶していたのだが、よくよく考えたら、わたしが掛けた粉に絶妙な間合いで乗ってきたのだったと思い出す。客の大半は歳が上の男が多く、わたしははなから対象外扱いをされるか妙に女ノ子扱いされるかのどちらかなのだが、芝崎さんだけは違っていた。それでちょっと興味を抱いた。
わたしは自称「イイオンナ」だけれど、可愛い女ではない。だからなぜ芝崎さんがわたしを気に掛けるのかがよくわからない。ひと周り年下の女なら、絶対可愛くなければ興味を引かないと思うし、わたしは生意気で鼻持ちならない女なのに。
芝崎さんとは4回寝た。過去のことのように言うのは、なんとなく次はないような気がするから。だから傍からつきあっているだの何だのと言われると余計鬱陶しくて仕方ない。「もうしてないってば」と言ってやりたくなる。実際あまり、またしたいとは思わない。
2度目に寝た時、なにか変な感じがした。毎回全くパターンが同じなのだ。首と、それから耳に集中するキスから始まって…、指を絡ませ合って果てる。自分勝手より何倍も良いが、でも「こういうのは女性は好きなんじゃないかな」というような前戯が並ぶと鼻白む気がする。
そして大して重要な事じゃないけれど、問題は、いちいち先が読めて下手をすると所要時間の逆算まで出来そうだということだった。
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