小隊こそこそ酒場話 ― 2019年10月11日
馬場の某店。G街の様な古くて裏ぶれた感じの小さなカウンターバー。昔馴染みだった店主の急逝後を継いだ若いのは、水商売が長くて間合いが良かったし、前店主との繋がりも太かったので思い出話も出来た。その上、師事していた訳でもないのに何でか氷の掻き混ぜ方が同じだったんだよな。ただ、心にちょっと弱いところがあったらしく、暫く店が開かないなと思っていたら、失踪していた。転がり込んでた先の彼女と別れたらしいとかいろいろ聞くが、本当の原因は誰にも分からない。閉めてた店に店泊していた跡もあるそうなので、突然の事故事件とはちょっと違うらしい。一つ不義理をすると、知り合いだらけの馬場には居辛くなったのだろう。 その後に入ったのがオーナーの知り合い。自分と同年代の女性なのだが、経験の長さ故かキャラクターか、スナックぽさが強過ぎる。とにかくずっと喋ってるし、「自転車通勤だから私チャーリーズエンジェルなの」だとか駄洒落ばかり言う。カウンターに募金箱を置いて店のトイレを洋式に改装する費用を募金し始めるし、とにかく店の雰囲気との乖離が激し過ぎた。 ある日珍しく顔馴染みがいたのだが、入れ違いに数分で憮然として出て行った。後日他の店で共通の知り合いから聞いたところによると、壁に並んでいた先々代から引き継ぐキープボトルを、彼女が3ヶ月で一掃すると宣言したのがかなり不快だったらしく、もう二度と行かないと宣言していたそうな。それは分かるな。そしたらもう、あの店じゃないものな。色褪せた角のボトルを眺めながら酒を呑む店だったんだよ。 そんな訳で私も通わなくなってしまった。馬場には他によく知った店もないので、また通過する様になった。 |
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馬場の某店。G街の様な古くて裏ぶれた感じの小さなカウンターバー。昔馴染みだった店主の急逝後を継いだ若いのは、水商売が長くて間合いが良かったし、前店主との繋がりも太かったので思い出話も出来た。その上、師事していた訳でもないのに何でか氷の掻き混ぜ方が同じだったんだよな。
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