立ち食い蕎麦放浪記、その後2013年01月27日

 遅い昼は、立ち喰いそばだった。チェーンだが今まで入った事の無い店に入った。だだっ広い店内に客は他に一人。神田の飲食店はランチタイムを外れると人気店であっても空いているのが普通だから、ましてや立ち喰いそば屋ではこんなものか。ちょっと麺が細くて好みじゃないとか、妙に後入れの具の種類が少ない等と思いながら啜っていた。同じそばでも、立ち喰いは手繰る(たぐる)のとは違う。また、猫舌なのでそう勢い良く啜れる訳ではない。

 立ち食いそばと言えば押井守といつぞやも書いたが、有名なのがOVA「機動警察パトレーバー第5話」での、苫小牧駅構内の立ち喰いそば屋のシーンか。改めて観るとよく分からないところがあったりする。

 TVをよそ見しながら食べ終えた後に、コロッケを追加したり卵を入れたり稲荷を頼む(しかも残す)遊馬。すると後から入ってきた渋い中年男(甲斐)がネギ抜きのかけに七味を大量に投入して一気に啜り、それを感心した表情で見る店主と呆然と見る遊馬。帰り際に遊馬が追加分の代金を支払おうとするのを「いらねぇよっ」と言う店主の台詞が最初意味が分からなかったが、そんな喰い方をする奴のお代なんか受け取れるか位の意味だったのだろう。

 それはともかく、ネギ抜き七味盛りのかけそばが粋だという価値観はオーソライズされているのだろうか? ベビールース曰く「そんなにクールだったですか?」である。

 その意味では腑に落ちるのが「いっしょけんめいハジメくん」1巻の立ち喰い屋の話。あれもこれもと具を入れてぐだぐだにしてしまうハジメに対し、なめこおろしうどんをするりと啜る客を指して「所詮、格の違いか」と眼光鋭い店の親父に言われる。しかし後日落ちぶれた男が何でも盛りを啜っていると「ヒラはバリバリやらんといかんからなぁ」と言うというオチなのだが。

 このところ、あれこれと立ち喰いそばについて考えていた。それだけ身近なのだろう。

遊馬、やっぱそれ行儀悪いよ。(TV画面だがこのサイズだと関係ないか)

最初からこれ頼めば良かったんだよ。コロッケ入り月見そば(神田笠置そば)。

伝説のシーン(?)だが、実はうどんだった。[クリック拡大]


小隊司令部発

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