想い出と廃棄物 ― 2016年04月03日
住宅地のごみ捨て場にバドミントンセットとかが棄てられているのを見掛た。それは例えばチャイルドチェア程ストレートではないけれど、ああちょっと子供が大きくなったんだなと思わされたりする。そして捨てた人のゴミ問題への意識や断捨離ブームとか色々あるだろうけど、ともあれ効率的に生活できてる家なんだろうなとは思う。 うちなぞは、想い出が詰まっていると言うより記憶の断片みたいな不要物が、うっすらではなく大分堆積してしまっている。不要物に対しておかしな感想かもしれないけれど、行き場がない感を強く受ける。20年前に亡くなった父が学生時代に撮り溜めた膨大な写真の一部がまだ残っていたりする。 うちの近隣の住宅地は、その父が大学生の時に祖父が家を建てた頃開発の進んだ地区で、それもあってうちの通りには年寄り世帯が多かった。少し前まで木造家屋のシルエットが目立つ通りだった。しかしこの数年は代替わりその他で、建物自体が新しく建て替えられ続けている。祖父の家を建て替えたうちもその一つになるだろうか。 だが多くは、年寄りだけの世帯となっていた家から人がいなくなり、売却されて新しく建て替えられている家だ。1軒当たりの土地の広さに余裕がある区画のため、売られた土地は切り分けられて二軒建てられる場合が多い。 こういう家に入るのは三十代の夫婦と小さい子供であることが多く、その若さと、家を買える身分であるところに何とも言えない順風満帆さを感じていた。実は、少し前に私には万事にナーバスだった時期があり、目を細めるところを背けてしまったりしていたものだった。 彼らはまだ大きな不要物を棄てない。最近流行りの幼児向けのペダルがない自転車とか、巨大なチャイルドチェアのついた低床小径自転車はまだまだ現役の様だ。それらに廃棄物のシールが貼られて棄てられているのを見掛る様になるのは何年先だろう。 |
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