もう別れるよ2006年08月09日

 E46を手放すことにした。ほとんど全く乗らないクルマにしては維持費もかかるし、目前の車検は間違いなく50万コースだ。家のクルマとしては、妻が少し大きいクルマ(と言っても軽だが)に乗り替えるので、ますます出番が減ってくる。そもそも娘達は合皮の臭いが厭だと言い箱根の山越えで酔って以来私の車に乗りたがらない。

 買ったときは分不相応だなぁと思っていた。何せ中古の購入価格ですら当時の年収より高かった。それでも10年後それなりの歳になっていれば馴染んで来るだろうと長く構えて考えていた。果たして5年後の今どうなのか。自分としては慣れてしまっただけで、実際どうなのかは分からない。

 ボディは刷り傷だらけである。ずっと乗るつもりでいたから「いつか直そう」という気持ちだけで行動にならず、結局そのままになっている。わざわざ調合したスプレーも、トイカーに試し塗りをしただけでそのままだ。

 機関不調はほとんどない。しかし新品のくせにバッテリーは上がりやすいし、高温になると純正のナビは止まってしまう。整備はずっとディーラーに出していたのでそれほど変なことにはなっていないだろう。しかし買ってから今までには、思い出してみればいろいろあった。スライディングルーフが閉まらない。ベンチレーターのベアリングが偏心していて異音がする。ウインドウが降りたまま閉まらない。それらもまあ、過ぎてしまえば許せる範囲の故障だった。

 ところで経験上言えることだが、機械というのは、それも趣味を通す類の外国製機械というのは、なぜかこういう事態を察して反抗してきたりする。E46もやってくれた。朝、突然にパーキングレンジからシフトが動かせなくなったのである。加えてキーも抜けなくなった。友人関係の弔事の手伝いで出掛ける朝で、その日の夜には買い取り専門業者が査定に来る予定だった。

 査定は100万そこそこである。修理費は幾らか。いつまでにできるのか。さあどうしたものだかなぁ。


こちらも意地になって(?)"次期愛車候補"を見に行く。母のPOLOを借りて「インターメカニカ東京」ショールームへ。

マルティンさんの愛車に昔乗せていただいた時の印象以上にスパルタンな前席。

下の娘1人なら何とか寝られるな。うん。ちなみに新車は500万で1年待ち。中古はこの店通しでは去年1年動き無し。国内総数58台である。

読書 井上荒野「ひどい感じ—父・井上光晴」 講談社文庫  
 癌で亡くなった父である作家・井上光晴について書かれている。お恥ずかしながら私は井上光晴という作家を知らなかった。巧妙に身内にまで己の出生を偽りつつ怒濤の生涯を生きた姿に、私が初めて触れた井上荒野作品「もう切るわ」の主人公の姿がダブらずにはいられない。それにしてもこの人のタイトルには毎度どきりとさせられる。


小隊司令部発

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