パチ・ダホンで行く納品の旅2006年08月30日

 「今日は、自転車便で来ました」

 汗を拭い書類を渡しながらそう言うと、得意先の編集担当女史は「涼んでいきなさいよ」と私を会議室に通し、冷えたお茶のボトルを1本くれた。この得意先には以前、会社からJEDIで帰るときに途中寄っていた。「今日は以前の"スポーツタイプ"じゃないんです」と言うと、じゃあだいぶ時間掛かったでしょう言われたが、よく考えると神田から築地まで15分で着いていた。おかしいな。JEDIで来た時と同じだ。

 汗まみれで得意に行くわけにもいかないので、割合ゆっくり走ったつもりである。しかも乗ってきたのは置き自転車"パチもんダホン"ことChampee-iである。前サス付きとは言え16インチのホイルは路面の段差をガツガツ拾うし、格安ディレイラーRD-TY18は昔の変速機よろしくジャララっと流れて決まらないことが多いし、トップの14Tでもそもそもがギア無しモデルと同じ歯数なので全然スピードが出ない。

 目的地の銀座〜築地近辺はメッセンジャー銀座でもある。個性豊かなメッセンジャーが所狭しと走り抜けていく。春頃だったか、細身の黒いフレームに跨って銀座を走り抜ける長身細身の女性メッセンジャーを見掛け、格好良いなぁと思ったものだった。もう1人男性のメッセンジャーと色違いの、オフ用のシェルが堅くて穴の少ない赤いヘルメットを被っていたのが印象的だった。先日買った自転車専門誌に本人が載っていた。残念ながらT-Serveとは付き合いがないな。

 なんちゃってメッセンジャーにしろ、せめてJEDIで走りたかった。なんてことを考えながら乗っているのに、心優しいパチ・ダホンは気付かない振りをして概ね快適に街を流れてくれるのだった。とはいえ、このクラスになるとやはり手放しでは1mも直進しないことを実感。当たり前か。おかげで貰ったお茶が飲めない。

小隊司令部発

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