忘れっぽい人はよく恋をする2007年07月06日

 今夏仕立てたスーツが上がってきた。「ドーメル」のカーキ色の生地で、ざらっとした肌触りが夏っぽくて良い。もう少し緑寄りの色が欲しかったのは、今着ているモスグリーンの「セルッティ」のスーツが多分今年で駄目になるからだが仕方ない。スラックスのポケット脇が擦れていてみっともなくなっている。正価9万くらいのスーツというのは私にとっては高い方であるが、高いのと保ち具合とは残念ながら関係がない。

 シーズン3着ほどで回しており、古い物は残っていない。スーツは大概5年前後で着潰してしまうからだ。毎日着ると言ってももう少し何とかしようもあろうが、私にはそういう意味のお洒落に対する繊細さが足りないのだろう。たまたま写真なんかに写って残っていたりすると、ああこれは良いスーツだったなぁ、惜しいことをしたなぁ位は思うのだが、ローテーションの数を増やして延命するのは面倒臭いのである。それにほら、シーズンの切り替えに掛かるクリーニング代も馬鹿にならないだろう。

 服のことを書きながら我ながらおかしいんだが、お得意の例え話を書いている気になってきた。やれやれ。

 そういえば昔「これ以上付き合い続けると、お気に入りの服を着潰してしまうみたいに駄目になってしまう様で厭なの」と言って別れ話を切り出されたことがあったのを思い出した。その台詞だけ思い返してみると厭な女だなぁ(苦笑)。いや待てよ、服じゃなくて靴だった。ますます厭な女だ。

 話を元に戻して新しいスーツであるが、折角出来上がってきたのにこう暑くてはさすがに上着は肩に引っかけて持ち歩くのみである。そして今更ながら夏場はスラックスだけありゃいいじゃないかと改めて思う訳である。

 となれば既製品で良いのだしと考えていると、クローゼットに投げ込まれていた安物の黒いスラックスを思い出した。礼服からはぐれた物と思っていたが、どうやら一昨年辺りも同じ事を考えていたらしい。


読書 長嶋 有「パラレル」文春文庫

個の中では過去も現在もパラレルに走っている時間。と思うときもあるし違うときもある。何せ私は記憶力が低いので。「なべてこの世はラブとジョブ」とはけだし名言だが、も一つシュミもあるわなと思ってみたり。いやむしろ…言わぬが花か。


小隊司令部発

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