カニ目スパナと右ワン回し2007年07月13日

 機械に触れる趣味に付いて回るのが工具の問題である。以前にも書いた様に我が家にはそれなりにいろいろな工具が転がっているが、それらで用の足りないことは多い。特に自転車がこんなにも専用工具を必要とするとは思ってもいなかった。

 特に今回はママチャリをバラしたいだけなのだ。ブレーキワイヤーを張り直すとか荷台を取り付ける位は、汎用工具で足りるし構造も見ればわかる。しかしBBをバラすとなると情報がどこにもなくて、どんな工具が必要かもはっきりしない。整備本はスポーツ自転車専用に書かれているし、DIYサイトの「ママチャリ日常整備」の類にBB脱着は含まれない。

 なぜそんな作業が必要になったかというと、会社の置き自転車“パチダホン”(中国製)のBBが明らかに末期的な異音を立てていたのだ。不定期に「ギギギギッガリッ」と音を立て、クランクがぶれる。タイミング良く会社で古いママチャリを1台捨てることになったのでそのパーツを移植しようというわけである。

 まずホームセンターには道具もないし有識者もいない。専門量販店に行くと、店頭に道具はないが使っている物は見せて貰えて、それがパークツールのHCW5という物だった。実際にはそれ以外にあと2つ自分の持っていない専用工具が必要だったのだがそんなこととはつゆ知らず、とりあえず御徒町の専門店に行った。ところがここがまたあてにならず、「ママチャリ用」と言ったためか態度もつれない。

 結局、調べ方を変えたら有効な情報に行き当たり、つまり「旧いカンパニョーロ・レコードのBBとほぼ同じ」だということがわかった。そう訊けば専門店でも嬉々として応対してくれたんだろうか。やれやれ。で、HCW5以外に必要なのが表題の工具というわけだ。

 スケジュールの都合上、仕事をしながら職場で換装した。ちょっとどうなのかねと思いながらも交換作業は実質10分程で終了。新規導入した安プリンタの設定よりも早かった。

BB:ボトムブラケット。ペダルの取り付け基部。最近のスポーツ車は軸とベアリングが一体の「カセット型」が主流。
パチダホン:どこ製か怪しいダホンCOMPACのクローン。
パークツール:自転車の世界では有名な工具ブランド。
カンパニョーロ・レコード:イタリア製超高級パーツ。
リテーナー:ボールベアリングの球をリング状に保持するパーツ。


廃棄ママチャリから外した「カップ&コーン型」BB。ママチャリながらこちらは国産品。BBの上辺りにJISマークのシールも有り。



パチのBB。「リテーナーの割れたベアリングの様な感触だな」と思っていたが、本当にリテーナーが割れていた(苦笑)。


左ワンのベアリング(奥)と比較…。

使用工具。完全分解しなくても良かったので右ワン回しは買わなかった。左からコッタレス抜き(汎用スパナと組み合わせてクランクを軸から抜く物で元々持っていた)・ロックリング回し/パークツールHCW5(左ワンの位置決め固定リングを外す)・ピンスパナ/パークツールSPA-1C(カニ目スパナの代用で、左ワンを外す)。揃えて自分でやるより自転車屋に任せた方が安いかもね(苦笑)。

小隊司令部発

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