新婚野郎に敬礼!2014年07月04日

 半月前の事になるが旧友の結婚披露パーティーがあった。新郎は、本欄で「小隊」と称している某高美術部の同級生。つまり今年48歳のおっさんである。

 この歳になると、旧友と顔を合わせる機会が祝事である事は少なくなる。ところが今回は無条件祝福の機会なのだった。

 そんな希なイベントだが私は例によって間一髪のギリギリ到着となり会場では乾杯の準備が始まろうとしていた。小隊は皆フォーマルというか慶弔用の格好をしていて、つい「式じゃなくて二次会だろ。何だその格好」と言う。「Sさんこそカジュアル過ぎだよ」。カジュアルと言うよりガラが悪いのだが、完全に二次会の装いなのだった。連中と言葉を交わし、勢いでそのまま仲間内だけで乾杯しそうになった。

 乾杯の音頭を待っていると、司会の「それでは新郎のご友人で…」という紹介が始まる。奴の交友関係はよくは知らないが、小隊以外の趣味繋がりは特撮・アクション関係だろう。物腰でそれと分かる一団がいて、誰が出てくるのかと眺めていた。

 そこで、私の名が呼ばれる。友軍陣地に飛び込むなりトラップという感じ。何か喋る程度の心づもりはあったが、まさかの乾杯の挨拶である。ほとんどあわあわで気の利いた事を言うどころか失礼なことばかり言ってしまったのだった。

 その後「填めたな」と言いに言ったら「自分もやったじゃないか」と言われた。…そうだったっけ? 私の結婚の時に? 全く、覚えていない。何せ20年以上前の事だ。結婚したことも忘れてた。

 新婦は年下姉さん女房という、どこかみたいな(もっとお若いが)二人であった。綺麗系の方だが意外や近い趣味なのだそうな。尤もそうでなきゃな、奴の場合は。

 この歳で万事順風満帆という感覚は無い(私だけか?)。しかしそれが許される人種がある。それがヒーロー、もとい新婚野郎だ。

 小隊、新婚野郎に敬礼だ。市ヶ谷警務隊、万歳。
今回の式典の様子は加工画像でお届け。

↑黒/緑縦縞のジャケットに黒い麻の上下。ボカしてもガラ悪な私。

ケーキ入刀…って、お約束かい!!

小隊集合。自然にこのポーズか、お前ら(W

読書 山崎ナオコーラ「ニキの屈辱」河出文庫

ツンデレとか、アーティスト同士の恋愛とか、いろいろ見方はある。でも私はあちこちに見られる些細な心の揺らぎというか濁りというか、そういうものが人の関係というのを左右するのだというシニカルな(場合によりイヤな感じの)視点が、しかしこの人の作品のリアリティなのだという気がする。

 


小隊司令部発

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