コッチコチのお地蔵さんは女子体育大生の夢を見るか?2014年08月12日

 昨夜は寝酒と称してウイスキーをショットで飲り続けていた。確かに眠れる感じがしなかったのだが、このままでは翌朝残るのは確実だなとも思っていた。果たして、確かに残っている感じがする。

 シャワーから出ると丁度朝のドラマが終わるところで、時間は8時15分になったはずだが画面には表示されない。いつもの情報番組ではなく甲子園球場が映し出された。これの時期か。テレビ画面に時刻が表示されなくても壁時計を見れば良いのだが、いつもある表示がそこにないのは不自由に感じる。

 チャンネルを変えると時刻表示があったが、画面は見慣れぬものだった。健康的な色をした肌の筋肉質の男性と、妙に色気のないショートパンツの口の大きな女性が踊っていた。踊り終えると画面が変わり、聞き覚えのある曲が流れ出す。タイトルは思い出せないが童謡である。尤も、私は大抵の童謡のタイトルなんか覚えていない。

「コチコチカッチン、お時計さん」

 昔からある童謡だ。自分も歌ったのかも知れない。だが童謡を歌った年頃の記憶なんて、普通はあるものだろうか? 私にはないな。楽しく幸せだったのだろうか。そう言えば、おやつの時間には、子供向け番組の真似をして祖母に牛乳とバナナを出して貰っていた。

 それにしても変な歌詞だ。「お時計さん」と来た。二重敬語か? 時計に「お」と「さん」を付けるだなんてどういう感覚だろうか。それが許されるのは「お地蔵さん」位だろう。

 だがしかし私は、瓶の隅にこびりついたインスタントコーヒーをぬるま湯で溶かしてマグカップに注ぎ、製氷機から少しカルキ臭のする氷を取り出して放り込み、残り少ないパックの牛乳を全部注いだ物を啜りながら、朝の忙しい時間、その童謡を聴いていた。

 それにしても色気のない女だ。これなら朝のテレビ体操で体育大の女子学生の脚でも眺めていた方がマシだろう。


どちらにも色気はいらないんじゃないか?(天の声)


小隊司令部発

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