Suicleほか、レンタサイクル類の保険について2015年02月15日

 先日、本欄に匿名のコメントをいただいた。コミュニティサイクルSuicleについての記事中で、私はレンタル業としては保険が手薄ではないかと書いており、それに関連する事だった。コメントによると、不幸にもSuicleで対人事故を起こしてしまったが、その際の補償などは一切なかったという情報だった。

 Suicleには第二種TSマーク付帯保険というのが付いている。しかしこれは最近よく目にする自転車保険などとは性質が異なり、あくまでも点検整備に対する保険。事故の相手への補償は最低限(最悪の場合だけ)で、通院補償、15日未満の入院、対物補償もない。当然車両保険も含まれないので、件の方は事故相手の補償とSuicleの修理費を全額負担することになったそうだ。幸いこの方は他にこの事故に適用できる傷害保険に加入されていて、それで対応されたそうだ。

 レンタカーとはえらい違いだが、果たして他のレンタサイクルも同様なのだろうか。

 NTTドコモが運営する同様のサービスが実証実験を含め5つある(下欄[表1]Suicle以外)。料金体系は様々だが、保険については補償内容は同じだった(下欄[表2])。

[表1]レンタサイクル 時間/料金比較
営業時間 時間貸 日貸 月貸
Suicle →[site]
24時間 100円/60分 500円/日 2,500円/月
江東区臨海部コミュニティサイクル →[site]
24時間 96円/60分 477円/日 953円/月
千代田区コミュニティサイクル「ちよくる」 →[site]
24時間 100円/30分 1,000円/日 1,000円/月
港区自転車シェアリング →[site]
24時間 100円/30分   1,000円/月
仙台コミュニティサイクル「DATE BIKE」 →[site]
7:00-22:00 96円/60分 953円/日 1,429円/月
横浜コミュニティサイクル「baybike」 →[site]
6:00-22:00 100円/30分 926円/日 1,500円/月
この表は、各サイトの情報を基に比較しやすい様に単純化して並べたもので、時間延長や会員制度などの条件は異なる。詳細な条件等は各サイトなどでご確認を。
 ところが利用規約には「第2種TSマーク保険の適用範囲内で、その補償を受けることができます」とある。しかし補償内容自体がまるで違うので怪訝に思い問い合わすと、傷害については損保ジャパン、賠償は東京海上日動火災保険の保険を併用しているとの事だった。

 サービスの料金自体はSuicleと大差があるとは言えない。それでこの違いはどうなのだろう。

 ちなみに第二種TSマーク付帯保険の下記の補償内容は昨年10月1日に改訂されたもので、有効なのはそれより後にマークを貼付した自転車のみ。これについてSuicleの事務局に確認すると、基本的に昨年11月に一斉に整備しているとのことだった。

[表2]レンタサイクル保険 補償内容比較
第二種TSマーク付帯保険
傷害補償(搭乗者) 死亡・重度障害100万円、入院15日以上10万円
賠償責任補償 対人死亡・重度障害5000万円(以前は2000万円)、入院15日以上10万円(以前はなし)
NTTドコモ運営コミュニティサイクルの保険
傷害補償(搭乗者) 死亡・後遺障害1000万円、入院5,000円/日、通院2,500円/日
賠償責任補償 対人1億円/人(1事故5億円)免責は5,000円、対物5,000万円
参考)自分の入っている保険 三井住友海上(Yahoo!ちょこっと保険 ミディアム本人型)
傷害補償(搭乗者) 死亡・後遺障害200万円、入院2,000円/日、通院1,000円/日
賠償責任補償 3000万円

 年内に小金井市内のSuicleポートが増えるという事であるし、利用者が増えれば事故も増えるだろう。保険設定の見直しは是非にと思う。

写真は東小金井駅Suicleポート。手前の自転車はSuicleではなくてお馴染み私のJEDI。

読書 伊藤礼「大東京ぐるぐる自転車」ちくま文庫

自分の自転車生活の方向性と密度についてちょっと考えさせられた(苦笑)。それにしても読むのに時間が掛かった。文章については私が云々する必要もないだろうが、ちょっと地図がいただけない。文章との連動が微妙にずれて不親切で、参照するとむしろ疲れる。ああ、疲れるから時間が掛かるのか。自転車みたいだな。


小隊司令部発

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