「昔ながらの」とはこういう事。神保町 L2019年03月13日

 流行の飲食店が並ぶ錦華通りから通り1本入ると古いオフィスビルが多く、その一角にある雑居ビルの1階にこの店は入っている。前情報では界隈にある老舗喫茶店の様な木造の一軒家みたいなのをイメージしていた。

 入口のドアはカーテンが掛かっていて中が見えず、「営業中」の札がなければノブに手を掛けるのに躊躇する。入ると薄暗い店内は雑然とした感じで、いかにもな古い喫茶店という感じ。カウンターでは年配の親父さんがピラフを炒めていた。


「営業中」
 一見8坪足らずの広さに見えたが、入ってすぐ手前右奥にテーブル席、店内突き当たりのカーテンの奥にも部屋がある様だった。カウンター上に煙草を吸いながら帳簿か何かをやっていた跡がそのままなのはランチの波が早かったためか。時間を見ると既に3時近くになっていた。

 席に着き注文。ナポリタンとビール。ビールは中瓶しかないそうだ。冷蔵ケースに見えている缶ビールらしき物は親父さんの物なのだろう。改めて見渡すと、古くからあるであろう調度品が、使っていそうなコーヒーを淹れる為の器具類も、使っていなさそうなピンク電話も、押し並べて煙草と油で茶色くなっている

 店内は注文未着らしい先客が2人。その分を出し終えた辺りで馴染み客が1人。そこからやっとビールを出して貰い、ナポリタンの作り始めとなった。それでも注文から15分程で到着。さっきのお客のナポリタンと一緒に出て来た。

 炒めしっかりなのは目の前で聴いていたので確かだが、途中ケチャップを足す様な音が聞こえた割には出来合いのケチャップでない風に酸味の弱い濃いめの味が良い感じ。タマネギ・ハム・ピーマンが結構入った王道ナポリタン。チェーン店のコスプレとは違う“本物の銀皿”で出て来る。

 ナポリタンはセットで900円。キャベツのサラダ・インスタントのスープ・選べるドリンクが付く。私は、セット扱いにはならないと言われたビール(中瓶)を頼み、合わせて1,250円だったのだが、単体で中瓶350円の訳はない(昼のメニューには載っていない)ので、ドリンクがない分相殺してくれたのだろう。

 常連の年配客が入ってくるなり「病院、行ったんだって?」なんて話をしながら席に着き、注文してないのにコーヒーが出て来たりしていた。そういうのを見ると、地域に根付いた店という感じがする。

L喫茶店 / 神保町駅御茶ノ水駅新御茶ノ水駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0

小隊司令部発

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