明るさの基準2008年12月05日

 自転車用のライトは意外に結構値が張る。一般的な乾電池式の物で3千円位から。デザインや機能がちょっと良いなと思うと5千円はする。デザイン文具の様なKNOG辺りを指して「最近は安価小型で可愛いやつとかあるじゃない」というご意見もあるだろう。しかしあれは照らす物ではなく自らを標すための物で、感覚的に「ライト」とは言い難い。実際暗い所を走る時に全く前を照らせていない。クルマで言うところの「ポジションライト」である。無灯火みたいなものだ。

 自転車用ライトメーカー最大手のキャットアイでは、10m先の明るさが400cd(カンデラ)あるかを基準に「前照灯」か否かの基準を設けている。ところがこの単位がクセ者で、どのメーカーもきちんと比較できる様な数値を明示していない。大抵が「ハイパワーLED採用」とか、現実には何の情報にもならないことしか書いていない。当のキャットアイからして、サイトで全商品の比較一覧PDFをダウンロードでもしない限り、はっきり言って各商品の性能の違いなど全く分からない。分からないようにあえてしているとしか思えない。

 古い読者の方は、あるいは本欄で前にもそんな話を読んだなと思われたかも知れない。随分前にガン関係ネタでフラッシュライトの比較について書いている。“明るさ”を数値で表現するのは難しいのだ。キャットアイの採用している単位cdは輝度、つまり発光体の光の強さである。蛍光灯などでよく聞くlx(ルクス)は照度、照らされた対象の明るさ。電球のW(ワット)は電力の単位だから、明るさを比較するのに適しているとは言えない。前出の軍用フラッシュライトでよく使われるlm(ルーメンス)は光束、発光体から出ている光の量なのでまた違う単位だ。関係する要素が複雑で、簡単な変換式はない。

 自転車用ライトは全てcd表記を義務付ける。とりあえずそうすれば良いじゃないか。何か問題でもあるだろうか?


JEDI/RC20共用のキャットアイEL210。実は140cdで「前照灯」ではない。実際暗くて、都内の幹線道路を夜にぶっ飛ばすのには向いてない。買い換える予定。

公文書[05.11.4]「専門外」〜東京マルイ プロライト
連絡所には沢山レスを頂いていた
キャットアイ「機能一覧」


小隊司令部発

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