気に入らないクロスバイク2013年05月18日

 勤務先の最寄り駅近い歩道に、いつも白いクロスバイクが停められていた。ここ暫く見掛けないし、代わりの物らしい自転車もないので、持ち主はこの界隈に通わなくなったらしい。気にしてはいても何も好ましく思って見ていた訳ではなく、いなくなってくれて清々しているのである。

 クロスバイクと言っても自転車趣味の人が好んで乗る様な物ではなく、ホームセンターで売られている様なタイプである。その事は別としても、全体に無神経な印象を受けた。どうでも良い様な乗り方がされている物に見受けられたからだ。乗り降りで付く靴の跡やいろんな汚れと傷でボロボロになっている上に、当然の様に錆だらけで、サドルは所々裂けており、グリップは半分もげて、変速機は割れて中のワイヤーが丸見えだった。

 停め方も非常に無神経で、流量が多い歩道の幅が狭くなっている場所にそれも必ず歩道側に傾けて停められていた。普通の神経があれば逆の車道側に寄せて停めるだろう。そのせいで、大きな荷物を抱えたり、人とすれ違う人はよくハンドルにぶつかっていた。私も機嫌の悪い時もとい時間のある時は脇の街路樹に立て掛け直した。そういう人が多いのか、時には少し先の植え込みに突っ込まれている時もあり、そんなこんなも加わりボロボロになっていたのだろう。

 大体、汚いままにされているクルマは運転もどこかおざなりである。自転車も同様。乗り回して汚いというのと、扱いの無神経さが表に出ているというのは違う。件のクロスバイクは明らかに後者だった。

 その場所の脇のゴミ捨て場は、いつも捨て方警告シールの貼られたゴミが転がっており、内容からすぐ横の中華料理屋の物と推測される。となれば、あのクロスバイクも従業員の物だったんじゃなかろうかと考えてしまう。これは偏見ではなくて推理である。そんな店で食事をしようなんて思わないよな。


読書 三島由紀夫「三島由紀夫レター教室」ちくま文庫

全て手紙のやりとりで物語が進行する。暫く絶版だったそうだ。三島にしては珍しい作品、などと嘯ける資格は私にない。何せ三島由紀夫をちゃんと読んだ事などないからである。尤もそうでなくてもこういう構成の作品はそうはないだろうし、そういう構成に関係なく興味深い小説である。二十代から四十代の男女の様々な感情と事情が交錯する。登場人物のネーミング(氷ママ子とか山トビ夫とか)や話し言葉に感じる時代が鼻につかなければ、内容は現代にも通じる。というか、男女の事に時代は関係ない。

 


小隊司令部発

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