叱り方2005年12月13日

 自分は子供の叱り方にはほとんど自信がない。妻にはよく非難されるし、実際自分が間違っていると思うことも多い。自分の子供に対してそうではあるし、他人の子供を叱ってもやはり「ああ失敗したな」と思うことは多い。その様に自信がない上に、更に判断の難しい場面で他人の子に注意しなければならないことになってしまうこともある。

 その日は家族で催し物に出掛けた。会場前で妻と子供達を降ろし駐車場を探してクルマを停め、そこから会場まで少し大きめの都立公園を抜けた。大きな催しのために公園内にも小さな子供連れがちらほらと見られた。

 公園の真ん中を過ぎた辺りで「バタタタタ」という音が響く。空気の炸裂音にモーターの音が混ざる、私にとっては聞き慣れた音。「電動ガン」というモーター仕掛けのエアガンの発射音だ。音の方を見ると小学生が2人、歓声を上げている。

 私は後からゆっくり近づいて"それ"が何かわざわざ訊ねる。1人が躊躇い気味に「電動ガンです…」と答える。その子の言い方には大人に分からないことを言って煙に巻いてやろうという感じは特になかったが、こちらに知識があることは分からせないといけない。

 「東京マルイのMP5A5だね。HGか? 良いの持ってるじゃない。でも、18歳以上用だよね」

  そう言われてその子はただ頷いた。

 「公園で撃ってちゃ駄目じゃん」

 「いけないんですか」

 「そんなこと取説にも書いてあるよ」

 勿論分かっているのである。

 「でも撃つ場所ないんだろ」と言うと2人は強く頷く。

 「それは分かるからさ、少なくとも問題になりにくいところで遊びなよ。小さい子供だらけの公園なんて、大人にエアガン取り上げてくれって言ってる様なもんだぞ」

 その後2人がどうするかを見届ける時間はなかった。ゴーグルをかけろとは言ったが、紙袋を使った跳弾のないターゲットの作り方まで説明は出来なかった。

 自分の注意の仕方が正しかったかどうか、大人としてもガンマニアとしてもあまり自信がない。

 玩具の"エアガン"は業界では「エアソフトガン」と称され、低圧のガスや圧搾空気でプラスチックの弾を撃ち出す。標準では大した怪我はしないが、近くで当たればかなり痛いし、目に当たると失明する。業界には構造・材質・威力に自主規制がある。そしてその自主規制に沿った条例が各自治体に設けられ、所持の規制は10歳以上用と18歳以上用に分かれる。


12日の日中に30万アクセスを超えた模様。ありがとう。
読書 重松 清「トワイライト」 文春文庫

 


小隊司令部発

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