「焼き芋屋さんごっこだよ」2007年01月30日

 暖かかった日曜日は大半の時間を庭で過ごした。下の娘を遊ばせながら自転車をいじっていた。と言ってもJEDIではなく、ずっとテラスに転がっていたママチャリである。

 この自転車、整備のためにバラしたのは2年も前だった。駐車場の端に半分雨晒しで放置していたのを再生するため引っ張り出したのだった。バラし前の画像をあまり仔細には撮っておらず組み上げには少々不安があった。その後の自転車趣味のおかげでマニュアル本の類と専門工具はそれなりに増えたのだが、実はスポーツ自転車とママチャリでは微妙に“文法”が異なる。もう1台ある妹の朽ちたママチャリを横に部品の位置関係を確認しながら組むことにした。

 再び組み上げようと決意したきっかけは、自転車がもう1台増えるためである。ロードタイプをとうとう注文した。最長4ヶ月、最短1週間で届く。半組みのママチャリとテラスに並べたくはない。かと言って捨てる気にならなかったのは、これが私から妻に贈った物だからということもある。

 組み上げ最大の難関は歪んだリアホイルで、これのために2年前に組み上げを断念していた。今なら、振れ取り台こそ持っていないが歪み修正の経験はある。体重を掛けて大まかに修正してからニップル回しで根気よく張りを調整していった。

 それを終えるとまともに回らない前輪ハブに突き当たる。面倒臭いなぁと口に出しながら、つい最近揃えたハブスパナでバラす。中のグリスはカラカラになっていた。パーツクリーナーで洗浄し、傷がないのを確認してからグリスを塗布して組み上げた。

 チェーンはまだ使えるので固まった泥を洗浄。ワイヤーとタイヤは買ってあったが、ブレーキシューも要交換だった。走って止まるためのパーツだけ組んでとりあえず走ってみる。Fブレーキワイヤーがすっぽ抜けるのできつく締めたらワイヤー留めをねじ切ってしまった。劣化していた様だ。快適に走れるようになるのはまだ少し先になりそうだ。


振れ取り中。呆れ顔の妻の「何やってんの?」への答えが今回のタイトル。


これ以上のバラしはしないぞと念じつつ、整備の泥沼にずぶずぶ…。


流行の渋ピンクカラー。丸石製で実は安物ではないのだが。茶色いタイヤが欲しかったところ。

読書 重松 清「哀愁的東京」角川文庫

 主人公がフリーライターであることが、何より気になっていた。重松清がフリーライター田村章でもあることは、ひょっとして今誰も気にしていないのかも知れないが、多くの作品のあのディティール(いやあるいは根幹)は、ノンフィクションの“情報”がなければ“いくらなんでも”成し得ないものだったろうと私は思い、だからこそそれが主人公になるとは思っていなかったという意味で、この作品は気になっていた。だから、後書きで筆者が「初めての、そしておそらく唯一になるはずの、フリーライターを主人公にした長いお話」と書いていることにほっとするような残念なような気持ちになった。


小隊司令部発

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