「公立中学校の裏側-世にも奇妙な教育業界最前線物語」2008年05月08日

読書 為我井道夫「公立中学校の裏側-世にも奇妙な教育業界最前線物語」飛鳥新社
 小4の娘の保護者会は役員が抽選ではなく立候補で決まる。美談やモチベーションが高いというのではなく、ご当人は「中学受験をさせるから役は今の内に」とか言っていた。じゃあ高学年になったら親子して行事は欠席して協力もしないんだろうなぁとか想像したり、いかにもそういう感じの親だよなぁとしげしげ眺めてみたり。そもそも保護者会中私語が絶えない様では推して知るべし。まあいいや。

 話変わって私が中学生だった30年近く前の話、「金八先生」やら「ツッパリ」やらが流行していた。実体があったから流行ったのか、流行っていたから真似ていたのかは知らない。しまいには「悪そうに見える奴ほど実は良い奴」みたいな風潮になって、私のような典型的優等生にはえらく迷惑な話だった(半分嘘です)。それでも私学なら快適だったろうなとは考えなかった。中学校というのはこういうものだと思っていた。

 さて本書。現役中学校教師による内部告発風。何やらもっともらしいタイトルだし、オビの「こんな現実を知ってもなお、子供を公立中学に預ける度胸がありますか?」を見て、私なぞは「バー通いをやめれば、あと3年で入学金は何とかなるだろうか」と考えてみたりするが、内容はタイトルほどには下世話なものではなかった。

 義務教育は“ちゃんと”やって下さい。と、教師と親を含む全ての大人に言っている。脅すのではなく時には可笑しくさらりと読ませて考えさせる。義務教育は大人の義務。その事について考える人とその子供は、その先も、そうでない人とは違うのだろう。

 ところで、マイナーだが最近よく見かける出版社だと思ったら「夢をかなえるゾウ」の出版社だ。この手の本というのは実際の執筆はライターが行うのが大半だと思うが、知り合いの中の人によればこの本は為我井氏ご本人が執筆しているそうだ。中学校の理科教師がこんなに文章が上手くてどうするのだろう。余計なお世話だが。

小隊司令部発

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