アイロンとカバン ― 2013年06月04日
物も人も、いつもそこにあると思っていても、ある時に、あるいはいつの間にか、失われていたりする事がある。例えばスチームアイロンや通勤鞄の様に。 アイロン掛けは私の毎朝の習慣であるが、この数年はアイロンを掛けながらふと、これが突然に壊れたらどうしようかという焦燥感に捕われる事が多くなっていた。 しかしこういう事に関して我が家にはある種の備えがある。二世帯住宅なので、大概の物は2つ以上あるのだ。電子レンジも風呂も台所も。トイレに至っては3つある。だが最も注意すべきはそういう慢心自体だろう。第一、掛け替えのないものは、実は大抵1つしかない。 ともあれ、スチームアイロンは壊れた。スチームが一切出なくなった。バラすとバイメタルなどの圧を受ける部分の筐体が割れており、外側のタンクとの位置関係から補強も出来ない状態だった。 この様に明確に失われた瞬間が分かるものばかりではない。むしろそうでないものの方が多い。日々の中で少しずつ、しかし確実に損なわれて行く。手を加える事で延命を施すことはできても、それは階段の狭い踊り場の程度のものだ。 通勤鞄は素材も作りもしっかりした物だったが、長いこと毎日重いPowerBookを運んで来たためファスナーの布部分にテンションが集中するらしく切れてしまった。本欄の記録によれば'08年11月の購入なので4年半は使っていたことになる。それまでは2年周期程だったので随分保った。色の剥げなどは補修していたが、鞄のファスナー付け替えはできそうもない。そうこうするうちにあちこちが破れたり曲がったりしてきていた。 同じ型は既になく、後継型らしきモデルをメーカーサイトで購入した。改良はされているのだが、それは市場のためであり私のためではない。届いて手にすると気に入らない部分の方が多かった。 勿論、世の中の大抵のものは私のためにある訳ではない。前の鞄にも「ま、しばらくの間よろしく頼むよ」位に書いていた。 |
東芝製からパナ製(手前)に。アイロンって基本あまり変わらないんだな。 TRION製FR322(左:27,300 円)とFR308。 この、マチにカラーの入っている所が良かったのに!! さすがにこれでは大人の持ち物として恥ずかしい。 ポケット類が無駄に増え、重量も増えている。これ、店頭だったら買わなかった。 |
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