エーピー2009年01月07日

 神田界隈にはなぜかampmが多い。会社に近いコンビニもampmだ。

 朝から夜中までどの時間帯でも利用しているために、私はこの店舗に勤務する店員全ての顔を知っている。そして半ば確信しているのだが、この店は都心部のコンビニには珍しく家族経営の様なのだ。

 店長と思しき30後半の男性と、同年代の女性。一時同じ名前の名札をしていたので「ああ夫婦なのだな」と思った。最近なぜか名札をしていない。服務規定上問題はないのかと心配してしまうが、全員同じ名字だと返って紛らわしいかも知れない。

 忙しい時間帯だけ入る60代の2人は、おそらく店長の両親である。“奥さん”の連れてくる年長位の歳の女の子と店の前で遊んでいることがある。

 あと2人、男性店員がいるのだが、ちょっとやんちゃをしていた風の20代後半の男性はおそらく奥さんの弟ではないかと思われる。客の居ない時の2人の遠慮のない話しぶりからして、少なくともバイトではない。あるいは義弟ということも考えられる。

 残る1人は深夜番がメインで違う名字の名札をしている。この人だけひょっとしたら赤の他人かも知れないが、店長の従兄弟という線もあるかも知れない。

 ある日買い物を終えると、通りの反対辺りの軽自動車がパーキングメーターの時間切れで調査員にチェックされていた。少し迷ったが店内に戻り、“弟”に「表に停めてる黒のライフ、この店の奥さんのだよね。“来てる”よ」と教えた。“弟”は礼を言い慌てて出て行った。

 翌日に立ち寄ると、“奥さん”に「昨日は知らせてくださってありがとうございました」と礼を言われた。社でその話をすると、し終えるなりH嬢は私が訊きたかったことを逆に訊いてきた。

 「何て言って伝えたんでしょう!?」。当然私の名前なぞ知るはずもない。

 「きっと『緑の人』ですよ」。その日の私は、ネクタイこそグリーンのストライブだが、シャツもスーツも黒だったのだが。

 やはり血族故の緊密な連絡体系が…あるわけないか。


読書 宮沢章夫「アップルの人」新潮文庫

しまった。この人の本は随分前に買って読了できなかったのを忘れていた。Mac専門誌の連載ということで斜め読みだけで買ってしまった。20P程読み進んだときには後悔というか諦念の域に達し、30Pではしかし怒りに変わっていた。酷くつまらなくてうんざりする。文章が笑いっ放しで付き合う気になれない。この劇作家の作る劇は面白いのだろうか? 別に確かめたくもない。オビには「危険 電車の一人読み ぶわははと笑い大爆発」と書かれているが、私はむすっとしてしまった。こんなものに520円払う位なら、チェーンの居酒屋に行きその金で薄いリンゴサワーでも啜った方がましだ。


小隊司令部発

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