タイヤガイドとは?2010年02月19日

 レオパードには、まだ1箇所交換を要するパーツがある。ブレーキシューである。

 実はまだオリジナルパーツが付いているのだ。外観は新品のコンディションだが25年前のゴムが劣化していない訳がない。実際に鳴きが激しい。ヤスリで角度を合わせても駄目。消耗部品は総取っ替えしたが、この部分は同等品が見つからなかった。

 現行パーツだとデザインが異なり過ぎて全体の雰囲気に合わない。形状だけ言えばママチャリの物と同じなのだが舟の材質が全く違うアルミ製。ブレーキ本体はこれに近いタイプを生産し続けているダイアコンペだが、メーカーサイトを見てもこのシューの単体売りはない。ゴム(パッド)の単体売りがある様だが箱状にカシメられているのにどうやって交換するのか分からない。

 性能も優れている現行品の装着を検討してみる。最も違和感を覚えるのは、シューの下に張り出した羽根状の部分である。現行スポーツ自転車のブレーキシューの多くは、ここが進行方向に向かって飛び出している。そもそもこれは何なのか。

 調べると「タイヤガイド」という名称だと分かった。タイヤの何に何をガイドするのかは、シマノのシューホルダに関する特許の文書中に的確な説明があったので抜粋する。

このタイヤガイド部は、たとえば、ロードレース中に〜略〜車輪を交換しなければならないとき、車輪をブレーキアーチ内に案内し、車輪をフォークに迅速にセットできるようにするために設けられている。

 更に調べると、このレオパード以降の世代では、別体のプレスパーツで同様の機能を持たせたパーツがあった様だ。古いマニアの皆さんには周知のことだと思うが。

 結局キャリパー用でタイヤガイドのないシューを見つけたのだが、しかし今度は形状以前の互換性の問題に気付いた。全長が40mm以上だと何とフロントフォークやフレームに干渉してしまう。殆どのキャリパー用がアウト。振り出しに戻った。


レオパードのダイアコンペDC500N。

RC20のシマノ105。

四半世紀近い年式差がある2つの普及機向けキャリパー用シュー。さすがに形状もサイズも全く異なる。


読書 蓮見圭一「かなしぃ。」新潮文庫(再読)

各短編の主人公が皆物書きというのがトリッキーでもあり不自然でもありと、そういえば前にもそう書いたか。前は大人の情感を感じたと思うが、今読むとなんかじじむさいのだな。どこにも行けない感じというのか。若い頃のそれとは違う、どこにも行けない感じ。

読書 近藤史恵「サクリファイス」新潮文庫

やっと文庫になったので読んだ。自転車ロードレーサーが主人公の小説だから読みたかったというわけでなく、随分前に読んだ文芸誌『Story Seller 2』でたまたま読んで面白かったのがそういう設定の話だったのだ。
自転車好きな作家と勘違いしていた。しかし、この作家にとっては自転車はミステリーの道具立ての一つに過ぎない様だ。よくよく読めばその話自体が本作の番外編で、この作品の延長上でしか自転車物を書いていない様だ。件の文芸誌の後書きでは自転車が何より好きな印象は全く受けない。なのに、読むと面白い。


小隊司令部発

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コメント

_ Shiro ― 2010年02月21日 22時51分48秒

おぉ!!!
ついに,長年(といっても3年)の謎が解けました!!!

そうですか,タイヤをスパッと入れるための「ガイド」だったのですね。

以前,拙ブログでも話題にしたことがあったのですが,
ずっっと謎のままでした。
なんか,空力上の理由かなんかと思っていました。

いやぁ,これで今晩から安心して眠れます Zzzz....

_ 小隊長 ― 2010年02月21日 23時35分21秒

不思議と「ものの本」にも表記されていないんですよね〜。
何かとても世のため人のためになることをした様な
満ち足りた気持ちで今晩も安心して眠れます。
(でも肩が痛くて目が覚めたりして)

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