メイド喫茶2006年04月14日

 馴染みのMODで呑んでいると、バーテンのI君によく「今日はメイド喫茶ですか」などと言われたりする。全く失礼な話だが、これも私が"オタクおじさん"然としておらず身綺麗でぱりっとした紳士であるそのギャップが面白いからこその発言であろうと解釈し、笑って聞き流している。

 要するに以前、行きつけのバーがメイドバーになってしまったのを面白がってあちこちで話した弊害である。それでもまだ知り合いのやっている、それもバーだから行ったのであって、そもそも喫茶店なぞはメイドだろうが何だろうがわざわざ行く場所でもあるまい。私にとっては、アポイントの時間がずれた得意先を待つ時間を潰すために入り、オープンテラスの目立つところでわざわざiBookを開いて書き物をしたり、それに飽きると道行く女性の脚でも眺めるために入る場所である。

 なんだ、それでメイドの脚も見ているのでしょうと聞こえてきそうだが、あれはそもそも脚なぞ出しているのか? 実は行ったことはないので知らない。

 ところで、役がかって傅く(かしずく)店員やその成りを面白がって世間は取り上げるが、勘違いをしてはいけない。あそこはゲームや漫画の話をするために行く場所である。趣味の社交場であり、そのための舞台設定なんである。そうでなければあのアホらしい作りは意味が分からない。門外漢が面白半分に覗く場所ではないのだ。

 私なんぞが行ったところで話のはの字もできやしないと考えていたのだが、実はそもそもが話も出来ない所だとカウンターで並んだ某氏が言う。どういうことかと訊くと、いや話もできない客がただ黙って店員を眺めに行く場所ですよと言うのである。店も店で、解凍しきれず芯の冷たい冷凍ピラフがそのまま出てきて、それでも黙っているんだと言う。

 それならキャバクラへ行った方が良いやと彼が言い出し、すっかり話が落ちてきたので店を出た。


I君は自称「銀座一感じ悪いバーテン」だが、それは常連客との間の洒落である。ネット頼りにMODへ来た客に「言うほど感じ悪くないじゃないですか」という主旨のことを言われた様である。本欄で書いた覚えもなく、うちの記事ではないと思うのだが、栴檀林の読者は「ネットで」などと言わず「栴檀林で」と言う様に。

小隊司令部発

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